最近の動向として、ソフトウェア業界を中心に「カスタマーサクセス」というものがあります。単に顧客のサポートだけではなく、顧客にとっての成功に導くための活動が重要だというものです。私が所属する会社でも、2年前からカスタマーサクセスの部署を立ち上げ、技術的なサポートを行うカスタマーサクセスエンジニア、顧客の組織全体の導入支援などのサポートを行うカスタマーサクセスサポートの部門ができました。また、会社としてもカスタマーサクセスを目標として掲げ、単に顧客に製品やサービスを売るだけではなく、それをどう顧客の業務に活かすかというところまで手厚くサポートするような風潮になっています。

私は技術職のポジションですが、お客さんとのミーティングが多い職種で、昨年は平均で週2〜3回出張に行っていましたし、今年は新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが基本となっているので、Webミーティングがメインになりましたが、週3〜10回はお客さんとのミーティングを行っています。少なく見積もっても年に150回はミーティングをしています。

ミーティングでは、製品の紹介やデモ、お客さんがやりたいことに対してのPoC (Proof Of Concept)やコンサルティングの相談を行っていますが、自社の製品やサービスを押し売りしても逆効果であることはよくよく承知しています。ミーティングでは、まずお客さんから話してもらって、どういうところに課題を感じているのか、どうすれば解決できるのか、などを話してもらいます。ただ、ミーティングが繰り返しあると、お客さん目線ではなく、自社目線で話すようになってしまうことがあり、お客さんと溝があるまま1時間のミーティングが終了、ということもたまにあります。

そんなとき、デール・カーネギーの名著「人を動かす」を手に取ります。これは別に顧客対応のマニュアルというわけではなく、どう他者と良好な関係を保つか、自分の考えを伝えてどう他者に行動に移してもらうか、そういう人間関係全般の姿勢やエピソードなどが書かれています。自分の意見を一方的に言っても逆効果ですし、自社の製品を売りたいがために他社の製品をこき下ろしても、むしろ相手に反感を買うだけ。そういう教えを、デール・カーネギーの温かい文調で学ぶことができます。

不朽の名作と言えるデール・カーネギーの「人を動かす」

お客さんが困っていることに対して「そうですよね」と理解を示しつつ、「こうなったら嬉しいですよね」と自分が伝えたい意見を伝える。迷ったときに「人を動かす」を読むことで、お客さんと良好な関係を保ち、カスタマーサクセスにつなげることがしやすくなっています。

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