情報処理技術者試験システムアーキテクト試験の対策 アイキャッチ画像
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2月末にAWS 認定試験について書きましたが、今回はIT 系の国家資格の一つ、情報処理技術者試験システムアーキテクト試験についての記事です。

情報処理技術者試験はIPA (情報処理推進機構)が実施するIT の試験。IT パスポート、基本情報処理技術者試験、応用情報技術者試験から、高度試験と言われる試験まで多岐にわたります。

【独立行政法人 情報処理推進機構】試験情報

その中でもシステムアーキテクト試験は、対象像が「高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システムを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、開発を主導する者」とあり、システム開発の上流を担当を開発するエンジニア向けの試験。

システムアーキテクト試験は午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱに分かれていて、トータル300分の所要時間で、9時30分から16時30分まで7時間掛かります。

項目時間試験内容
午前Ⅰ50分多肢選択式の30問 (マークシート)
午前Ⅱ40分多肢選択式の25問 (マークシート)
午後Ⅰ90分記述式で出題3問のうち2問を選択
午後Ⅱ120分論述式で出題2問のうち1問を選択
2023年度のシステムアーキテクト試験の内容

特に午後Ⅱで小論文を書くのが特徴。小問が3つあってそれぞれ600字、900字、1200字、とかで合計で3000字ほど書くこともあるので、120分の時間もあっという間に過ぎ去ります。

午後Ⅰまでは突破できても小論文でなかなか受からないという声もあります。2023年度時点では春季(4月枠)のみの開催で、年に1回しかチャンスがないのも貴重です。その点、ベンダー資格と言われるAWS の認定試験などは自分の受けたいタイミングで受けられるのでありがたいですが。

なぜシステムアーキテクト受験を志したか

そして私は2023年度のシステムアーキテクト試験に合格しました。

前職の日系企業のSIer の会社にいたときは、情報処理系の資格を取れば数万円〜10万円、技術士だと20万円という臨時ボーナスをもらえて、資格取得者を増やそうとして、若手もこぞって受けていたのですが、現在所属する外資系のIT 企業だとそういうのがありません。せいぜい英語の試験 (CACEC)があって、TOEIC 換算で基準の点数未満だったら語学学校のe-Learning の講座を受けられる特典があるぐらい。

前職でも現職でもシステムを設計・開発することがあり、実際に動くシステムとして顧客に納めています。自社で通用しても、他社のエンジニアと比べたらどうなのか、という尺度が分からなくて、IT 系の共通的なスキル、知識を学び資格を取ってみようという気持ちになったのが受験のきっかけ。

コロナ後になった今も出社半分、在宅ワークが半分というハイブリッドワークになり、特に在宅の日は通勤時間がないので、夜に結構まとまった時間ができて、何か挑戦したいという気持ちにもなってきた、という事情もあります。

2022年度は漫然と対策して午前Ⅱで失敗

実は私は2回目で合格しまして、1回目の2022年度は漫然と対策してしまい、午前Ⅰはパスしましたが、午前Ⅱではあと1問のところ(合格ラインが60点のところ56点の得点)で不合格。自信満々に解答した午後Ⅰと午後Ⅱは採点すらされなかったという結果でした。

情報処理技術者試験は、午前から全て合格基準に達していないと次の試験は採点されないので、午前Ⅱの対策が手薄になり午後対策に時間を掛けてしまったのは本当に失敗でした。手薄と言っているのは、参考書籍の問題は繰り返し解いていたのですが、IPA から公開されている過去問を解くのを全くやっていなくて、書籍に出てこなかった設問が本番に出てきて撃沈した、というもの。

ただ、最低限のクリアしたかった午前Ⅰの免除が取れたので、次回は午前Ⅱからの受験で済むようになりました。

そこで2回目となる2023年度では午前Ⅱを絶対落とさないようにして、午後Ⅰと午後Ⅱも対策する、という方針に。

参考書籍は、2022年度で使った翔泳社の2冊 『うかる!高度試験午前Ⅰ・Ⅱ』と『うかる!システムアーキテクト』をそのまま使うことにして、午後Ⅱの小論文用としてiTEC の『合格論文の書き方・事例集 システムアーキテクト』を追加で購入しました。

情報処理技術者試験システムアーキテクト試験の対策本
情報処理技術者試験システムアーキテクト試験の対策本

午前Ⅱは過去問からの再掲載が多いので、IPA の過去問を5年分印刷して、試験の2ヶ月前から毎日1年分の問題を解くようにしました。午前ⅠとⅡは、参考書籍に頼るよりも、過去5年の過去問をひたすら解いたほうが効果がありました。

午後Ⅰは問題文を読んで解答するので「国語」の問題だと私は思っているのですが、記述量もそこまで多くないので、過去問を見て頭だけで考えて (筆記はしないで)、解答例を読むというスタイルを取りました。どうしても納得行かない解答の場合は、翔泳社の参考書籍で解説を読むようにしました。午後Ⅰは私の中で最も手薄な対策だったのですが、2023年度の本番の試験結果では8割の得点を得ていたので、意外と行けました。

午後Ⅱの小論文対策は書籍を1つ買っただけ

困ったのは午後Ⅱの小論文対策。Udemy でもシステムアーキテクトに特化した講座がなく、また、オンライン添削や予備校的なサービスをやっているところももあるのですが、費用も時間も掛かります。日頃の業務も忙しいので、そこまでやるんだったら過去問と書籍だけで対策してダメだったらまた来年挑戦しよう、と腹を括りました。

ということで結局、午後ⅡはiTEC の小論文の本を読むだけ。この本にだいぶ助けられたのですが、小論文にもコツがあって、例えば最後の小問の末尾に「以上」を付けるとか、小問毎に「1.1 本システムの概要」、「1.2 本システムの要求」、「1.3 本システムの課題と解決法」のようにサブタイトルを付けると論文が見やすくなったりします。

シャープペンで書くことの練習も

日頃はパソコンやスマホ、タブレットの入力が多く、紙と鉛筆を使うのが珍しくなってきました。ただ、午後Ⅱの小論文では2000〜3000字近く書かないといけないので、字をきれいにすばやく書くという練習も必要です。小論文の対策本に書いてありましたが、やっぱり採点官も人なので、薄い文字や濃すぎる文字、読みづらい文字への採点はシビアになります。

対策本には試験前日に自分のネタで本番さながらに小論文を書いておくことを推奨されていましたが、私はこれをサボりました。業務で実践的な案件をたくさん経験してきたので、書くネタは豊富にありましたので、とりあえずシャープペンで何千文字もを書く練習だけしておこうと思い、試験前日に小論文書籍の解答例を問1から問3まで白紙のコピー用紙にひたすら写経するという作業だけおこないました。書き写すだけでも1時間半は掛かりましたが、普段使わない筋肉を使うことで当日も文字数に圧倒されることなく時間内に書き終えることができました。

採点官は実際に受験者が開発したシステムについては分からないので、正直デタラメを書いたり、他人が担当した開発をさも自分が考えたかのように書いて合格することもありますが、試験の対象像に沿うようになるべくリアルな内容で書ければ良いですね。

雑多になりましたが、システムアーキテクト試験合格に向けて、私なりの対策方法をまとめました。少しでもお役に立てれば光栄です。

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