意外と無い、商用で使える都道府県のポリゴン
先月の記事に東京都のポリゴンデータ(Shapefile)を使った地図描画を紹介しました。
そのときは東京都の区市町村の細かい領域で見たかったので国勢調査のデータが最も良かったのですが、今度やりたくなったのは、日本地図の都道府県別のポリゴンデータを可視化するということ。
そこでハマったのが、商用で使える日本全国のポリゴンデータ(Shapefileとか)が意外に無い、ということ。
政府系のデータ
国土地理院の行政区域データ (商用OK)
まずは国土地理院。地図と言えば地理院ですが、商用がOKの日本全国のポリゴンデータは私が探した範囲ではこれだけでした。
【国土地理院】国土数値情報 > 行政区域データ
ただ、一つ問題が。区市町村まで含まれているので、細かすぎるんです。東京都で1つのShape になっていれば良いのですが、区市町村に分割されて格納されています。なので、ファイルサイズも全国で450 MBほどあります。
国土地理院の国・都道府県の機関データ (商用NG)
もう少しライトなのが国土地理院のこちらにあります。
【国土地理院】国土数値情報 > 国・都道府県の機関データ
全国で1.5 MBのファイルサイズは手頃で良いですよね。
しかし、「平成25年度」のデータで「このデータの使用許諾条件」が「非商用」に指定されています。商用で使ったらNG なんです。
政府系と言えば統計データのポータルサイト、e-Stat にもデータがありますが、行政区域のポリゴンだけ欲しいのですが、どうしても人口などの他のデータを含んでしまいますし、都道府県別のファイルダウンロードになっていて、全国まとめてダウンロードできない、という問題があります。
よく日本のデジタル化が遅れているとメディアで報じられていますが、データサイエンスをやろうとするとデータ取得のところで実感してしまいますよね。
ESRI Japan のデータ (Arc GIS でのみ使用可)
GIS (地理情報システム)のソフトウェアとしてよく使われている商用ソフトがESRI のArc GIS。ESRI ではArc GIS ユーザー向けに日本全国のポリゴンデータを提供しています。
【ESRI】都道府県界データ(簡易版)
今回はArc GIS は使わないので、残念ながらこれも求めているデータとは違います。
海外のデータ
Humdata
結局行き着いたのが、海外のデータポータルサイト。Humdata というところで良さげなデータを見つけました。日本の地理データが欲しいのに海外から取得する、というのも何か変ですが。
【Humdata】Japan – Subnational Administrative Boundaries
気になるライセンスについては、Metadata タブに記載されていますが、Creative Commons Attribution for Intergovenmental Organisations となっています。
いくつかフォーマットがありますが、ここではjpn_adm_2019_SHP.zip というファイル名のShapefile (シェープファイル)をダウンロードします。たったの6.2 MB です。レベルが3段階に分かれていますが、レベル0 が日本全体、レベル1 が都道府県別、レベル2 が区市町村別になっています。都道府県別の人口データを可視化したいいうときにはレベル1 のポリゴンを使うと良いでしょう。
意外と見つからなかった日本の都道府県別のポリゴンデータについての備忘録でした。
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